HuPEX®を用いたプロテオーム解析研究が、学術雑誌 Journal of Proteome Research に掲載
プロテオブリッジ株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:熊谷 亮)は、熊本大学との共同研究において独自のヒト・タンパク質発現ライブラリ HuPEX® を活用することによって質量分析計によるプロテオミクス研究を飛躍的に向上させ、国際的に権威ある学術雑誌 Journal of Proteome Research に発表したことをお知らせいたします。
近年、ディープラーニングを用いたインシリコスペクトルライブラリが注目を集め、データ非依存型取得(DIA)解析において「ライブラリフリー検索」と呼ばれる手法が広く用いられています。しかし、インシリコライブラリには膨大なペプチド情報が含まれるため、偽発見率(FDR)の適切な制御が課題とされてきました。
本研究では、HuPEX®から無細胞タンパク質合成系によって合成したヒト・タンパク質を利用し、DIAソフトウェアのFDR制御を厳密に評価する新しい手法を提案しました。液体クロマトグラフィー質量分析(LC-MS)とDIAソフトウェアで得られたデータを既知のタンパク質配列と比較することで、FDRを定量化しました。特に、DIA-NNのバージョン1.8.1、1.9.2、2.1.0を比較した結果、1.9.2および2.1.0はより多くのペプチドを高精度で同定し、FDR制御の大幅な改善を実現できることを明らかにしました。
今回の成果は、DIA解析におけるFDR制御の改善に貢献し、バイオインフォマティクス研究者や製薬・ライフサイエンス分野における解析精度の向上に寄与することが期待されます。
【論文情報】
タイトル:Evaluation of the False Discovery Rate in Library-Free Search by DIA-NN Using In Vitro Human Proteome
著者:Kongxin Gu, Masanaga Kenko, Koji Ogawa, Naoki Goshima, Takeshi Masuda, Shingo Ito, Sumio Ohtsuki
掲載誌:Journal of Proteome Research
掲載日:2025年7月18日
DOI:https://doi.org/10.1021/acs.jproteome.5c00036
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