HuPEX (Human Proteome Expression-resource) は, 2000年から開始したNEDOタンパク質機能解析プロジェクトで構築された、ヒト遺伝子の約80%をカバーする世界最大規模の網羅的ヒトプロテオーム発現リソースです。

HuPEXを構築し、その研究成果として、安全で高効率なiPS細胞の樹立に重要な転写因子の発見や、分化誘導因子の発見、疾患に関連する自己抗体の同定など、様々な発見が得られています。当社は、このHuPEXクローンライブラリを保有しており、in vitro系のコムギ胚芽無細胞タンパク質合成系によって、一度に約20,000種類のタンパク質を高効率かつ自在に合成できる技術 (インビトロ・プロテオーム作製技術) を有しています。

さらに当社は、独自開発したアレイスポッティング装置AutoArrayer-YamaArashi AA-13Kを利用して1枚のガラス基板に1.4万スポットのタンパク質を非乾燥状態で搭載できるアレイ作製技術を確立しました。これらの独自技術を組み合わせることで, 自己抗体解析等を高精度・迅速・簡便に行うことのできる世界初の「HuPEX網羅型タンパク質アレイ」を開発しました。

・タンパク合成技術

・アレイ化技術

その粋を集めたプロテインアレイです。

既存のプロテインアレイと異なり、タンパク質のアレイ化からアッセイまでの全ての工程でタンパク質を「ウェット」な状態で保つ工夫がなされており、生体内でのスクリーニングが可能となりました。

HuPEX網羅型タンパク質アレイの特徴

 

HuPEX網羅型タンパク質アレイは少量の血清 (100 µL) から, 一度に13,349種類(2023年8月現在)の個別抗原に対する自己抗体の定量的データが得られる、従来手法と比べて優位性の高いツールです。

HuPEX網羅型タンパク質アレイは、他社のアレイには無い特徴があります。当社のアレイは従来技術と大きく異なり、製造段階からアッセイまで一度もタンパク質を乾燥させないウェットタンパク質アレイです。抗原抗体反応はタンパク質の立体構造が維持されていなければ、生体内と同様の結合反応を再現できないものが多いです。そのためタンパク質を非乾燥状態で搭載した本アレイは、抗原抗体反応をより生体内に近い状態で再現することが期待できます。これによって、高い解析精度とスループットを実現しています。また、ヒトタンパク質の86%を網羅しているのです。

 

 

1.世界最大級 約1.35万種類のタンパク質および遺伝子産物を搭載:HuPEX網羅型タンパク質アレイで同時に解析可能なタンパク質数は、世界最大級の約1.35万種類。アレイに搭載されているタンパク質の95%は、UniProtと比較して相同性が90%以上です。

2.非乾燥タンパク質アレイ(WPA):アレイに搭載されているタンパク質は、アレイ基板に搭載後直ちに保存溶液に浸漬する事で、タンパク質の乾燥による変性を防止します。これにより、乾燥した状態で提供されるアレイやELISAキットと比較し、高い特異性を実現しました。

3.少量の検体で解析可能:1解析に必要な検体量は、血清(もしくは血漿)で300uLです。これは一般的な採血(10~15mL)の1/100程度です。検体提供者様のご負担が少ないサービスです。

4.搭載タンパク質量の均一性:生体内のタンパク質は、種類によって1,000,000倍の量比で存在している事が知られています。解析アプリケーションによっては、存在量が少ないタンパク質について見過ごされるリスクがあります。弊社のタンパク質アレイは、登載されているタンパク質の84%が、10倍以内の量比に収まっています。均一なタンパク登載量によって、高感度な解析を実現しました。

Our Services
弊社の特徴

お客様がお持ちの標的未知のサンプル。

その標的スクリーニング・プロファイリングをトータルにサポートする体制が整っています。

網羅的に解析する意義
例えばこんなことに利用されています

ヒトの自己抗体を網羅的に解析することには、多くの意義があります。自己免疫疾患をはじめとする疾患の新たな抗体バイオマーカーの探索に利用できます。また、疾患の早期発見・診断用のキット開発にも利用できます。弊社のお客様がどのように利用されてきたか、いくつか事例を紹介致します。

1.自己免疫疾患の理解:自己抗体の網羅的な解析は、自己免疫疾患の発症機序を理解するために重要です。特定の自己抗体がどのようなタンパク質や組織に対して反応するかを調査することで、疾患の原因や進行メカニズムを解明する手がかりを得ることができます。†1

2.個別化医療の進展:自己抗体のプロファイルは個人ごとに異なる場合があります。個々の患者の自己抗体の解析は、個別化医療の進展に寄与します。特定の自己抗体の存在に応じて、最適な治療戦略を立てることが可能になります。†2

3.バイオマーカーの探索:特定の自己抗体が特定の疾患と関連している場合、これらの自己抗体は重要なバイオマーカーとして利用できる可能性があります。バイオマーカーは、疾患の診断、進行状況のモニタリング、治療効果の評価などに役立ちます。†3

4.未知の自己抗体の発見:網羅的な解析により、まだ知られていない自己抗体の存在が明らかになることがあります。これにより、新たな自己免疫疾患の特定や理解が進む可能性があります。†4

網羅アレイを用いた成果
論文発表・特許出願

技術的な内容

HuPEX網羅型タンパク質アレイ(プロテインアレイ)に搭載されている抗原タンパク質・遺伝子名については、以下のリンクよりご確認下さい。