様々な自己免疫疾患において自己抗体の分子内 ESおよび分子間ES が注目され、自己免疫反応の発現と持続に重要な役割を果たすと考えられています。この論文では、RNA ポリメラーゼ III (RNAP III) 複合体に対する自己抗体の分子内 ESおよび分子間ESを弊社の抗原結合プレートを使用して測定し、全身性強皮症 (SSc) の臨床症状との関係を解析しました。その結果、SSc患者において複数のRNAP III 複合体サブユニットに対する自己抗体が発見され、ESの程度がSScの症状と強く相関することがわかりました。以上のことから、ESの測定が疾患活動性の新しいバイオマーカーとなる可能性を示すことができました。
*エピトープ拡散: 特定のドミナントエピトープに対する免疫応答が認められたのち、他の多様なエピトープに対する免疫応答が連続的に誘導される現象のこと。
Arthritis Rheumatol. 2024 Sep 1. doi: 10.1002/art.42975.
Diversity and Epitope Spreading of Anti-RNA Polymerase III Antibodies in Systemic Sclerosis: A Potential Biomarker for Skin and Lung Involvement